【体験談14】1人暮らし・その1 何かいる

結局人以外の何者かに自室を乗っ取られた僕は、いかでこの忌まわしき建物から脱出せんと1人暮らしすることにし、今必要なのは安心して暮らせる物件とて、少し高い家賃でも利便性から駅に近いワンルームマンションを契約しました、引っ越し当日はお隣に挨拶を済ませ、家具の配置から必要な物を買い足してやっと新しい環境に慣れてきたのがおよそ3週間、日中でも薄暗い部屋や浴室周辺に漂う僕以外の気配などに気づいたのもこのころからでした。

ある晩にYがきたときのこと、怪談話に花が咲いたのをきっかけに部屋の容子を訊いたところ、あの辺が気になるねと指さしたのが浴室周辺で、そういえばここに来る前に通った駐輪場も厭らしい雰囲気だったし、もっと云えば建物自体が面妖ぞかしとて訊くのではなかったと後悔しても後の祭り、これ以上酷くならぬうちに今度の物件を探すことにしました。

【体験談13】新築物件その3・声と女性

この学生時分の友人は週末に電話をかけてくることが多く、あれこれ話す中につい長電話してしまうのですが今回は容子がおかしく、僕には友人との間に誰かあるような気がしてならず、よし当時の電話回線の混線が集合住宅に集中していたにしても、その者は僕の言葉に必ず相づちをうってきました。

そういえば以前こんなことありて、あのときは今流に云えば帰宅困難者が予想されるほどの大雪がふり、僕も例に漏れず近所の公園を縦断していたら、いつの間にあらわれたのでしょう、眼の前に20代前半と思わるる女性が施設までの道順を訊いてき、はてな施設を利用するわりに彼女は傘1本の軽装ですし、建物には明かり一つ灯っていません、この条件に違和を感じた僕は1秒でも早く帰りたい心持ちをおさえながら見守っていると、眼の前で忽然として消え失せり。

話を戻しますと、僕たちの会話に参加してきた者は公園の彼女と似たりし、否、声も話し方も瓜二つでした。

【体験談12】新築物件その2・痴女と地図

濃厚な気配が常態となったある日、今度は僕の体を毎夜なでる者ありて、そは女性のしなやかな指先をおもわせ、足の指先からじらすように上半身に来、中途で起き上がったり照明をつけたりすばとたんに厭らしき感触も消えうせ、自室には僕しかいないことはいうまでもありません。

最早辛抱たまらず親に相談したら、あらあんたもそうだったの、じつは近所で聞いたんだけどね、あんたと同じことでなやんでいる女性がいるそうよ、の想定外な返事はもう少し続き、そういえば家のベランダの手すりに地図が置いてあったの、でもねイタズラだとしても家は3階でしょ、なんだか気味悪いわよねえとて怪訝そうにいいける。

【体験談13】新築物件その3・声と女性 -

【心霊写真 12】威嚇してくる幽霊達

①黒くて丸い眼で私を睨み、口を大きく開いてさけんでいます。

②横に口を開いた子供の大きな顔があります。

③面長の中年男性の顔があり、①と同様の表情です。

④狡猾そうな子供が和服をきています。

【体験談11】新築物件その1・気配

新築物件に越したときのこと、賃貸とはいえ新築物件なので有頂天だったのでしょう、いつとはなく自室のドアの向こうに違和を感じ、日を追うごとに濃厚な気配となりぬ、さりとて家族に軽々しく相談できる内容にあらず、一体どうしたものかと考えあぐねるうち、不思議体験の豊富なCを思いだし、件の条件を何一つ知らせずに2人以外の気配はどこからくるのか訊いたところ、ずっと気になっていたんだと云いながらいぶかしそうにドアを指さしました。

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