体験談

【体験談14】1人暮らし・その1 何かいる

結局人以外の何者かに自室を乗っ取られた僕は、いかでこの忌まわしき建物から脱出せんと1人暮らしすることにし、今必要なのは安心して暮らせる物件とて、少し高い家賃でも利便性から駅に近いワンルームマンションを契約しました、引っ越し当日はお隣に挨拶を…

【体験談13】新築物件その3・声と女性

この学生時分の友人は週末に電話をかけてくることが多く、あれこれ話す中につい長電話してしまうのですが今回は容子がおかしく、僕には友人との間に誰かあるような気がしてならず、よし当時の電話回線の混線が集合住宅に集中していたにしても、その者は僕の…

【体験談12】新築物件その2・痴女と地図

濃厚な気配が常態となったある日、今度は僕の体を毎夜なでる者ありて、そは女性のしなやかな指先をおもわせ、足の指先からじらすように上半身に来、中途で起き上がったり照明をつけたりすばとたんに厭らしき感触も消えうせ、自室には僕しかいないことはいう…

【体験談11】新築物件その1・気配

新築物件に越したときのこと、賃貸とはいえ新築物件なので有頂天だったのでしょう、いつとはなく自室のドアの向こうに違和を感じ、日を追うごとに濃厚な気配となりぬ、さりとて家族に軽々しく相談できる内容にあらず、一体どうしたものかと考えあぐねるうち…

【体験談10】八柱霊園その3・中年男性と停電

あの忌まわしき13区から駆けだし、なるべく安全な場所で例の面妖たる声について鼎談していると、車のハイビームがキャップをかぶり、ダンガリーシャツ、ジーンズ姿の白いママチャリをゆっくり運転する中年男性をとらえました。 時刻は26時を過ぎつらむ、はて…

【体験談9】八柱霊園 その2・襲ってくる声

再訪問は翌日のことでした。今度は攻めるつもりで稲川淳二氏の怪談を流しながらの出発です。最初は順調でしたが中途でテープが伸びたようになってしまい、言葉が聞きとれません。しようがないので車を路肩によせ、デッキからテープを取り出してみるときちん…

【体験談8】八柱霊園その1・幻の13区

■はじめに■ 当時の八柱霊園は24時間正門から出入りできました。 ----------------------------------------- 梅雨の20時をすぎていたでしょう、Aの車にBと僕をのせて13区をめざしました。この区はインターネットが無かった時分でも指折りの場所。噂によれば…

【体験談7】幽体離脱

この面妖な体験は学生時分まで毎夜ありました。自室で照明を消してあおむけで寝ていると、体が風車ほどの速力で時計回りしながら天井へむかいます。成功すれば寝ている自分を見、失敗すれば天井間際でいつまでもまわっています。なんにせよいつでも戻ること…

【体験談6】出席簿

小学校の校庭開放日で校舎もあいていました。教室に忘れ物した友達はこの機会を逃すまいとぼく達をさそい、晩冬の夕方に幽々たる廊下をわたって予定を完成させました。のちに一行は出口の玄関にむかう中途で開き戸が全開の教室をとおりました。 ぼくはなんと…

【体験談5】火のたま

白い息を吐きながらボールあそびしていました。そろそろ夕飯なれば帰らんと道具を片づけてふと右を見れば、墓地の塀にそってだいだい色した球が来、野球のボールほどのそれは尻をふりながら眼の前をとおりすぎ、間もなくきえました。

【体験談4】記憶

小学校までの通学路の空き地がありました。一見して何の変哲もない空地なれど、遊んだり前を行き来したりするたびに感じる在りし日の光景・・・。当時はほんの小学生、人生を語れるほど生きていませんし、何故かずっと前のようなきもします。それに自宅のそ…

【体験談4】いたずら

太陽のもと歩行者用の信号待ちしていました。横断歩道の前でぽつんとなんとはなしに交通量の多い交差点をながめていると、背後から両肩をおされました。尤もなのがその力加減でいくら相手が小学生とはいえ、子供の上半身が傾くていどでは路上に突き飛ばすな…

【体験談2】初めての幽霊体験

☆日中☆ お盆は自宅に親せきがあつまります。買い物をたのまれたぼくはスーパーマーケットに向かいし中途で自動販売機に眼をやれば、お金を投入した状態にしては周囲に人っ子一人ありません。いぶかしくてもそこは小学生の好奇心、逡巡せずに好みのジュースを…

【体験談1】不可思議体験のきっかけ

けだし不可思議体験する足がかりとなった件です。小学生の時分は電話の着信を中てることがとくいでした。電話のことをチラッと考えて手をとめ、電話の前で少し待てばかかってきましたよ、が常態で来訪者にも威力を発揮してくれました。大人になったいまでは…